デジタルラジオ
デジタルラジオとは、ラジオ放送の伝送信号として地上デジタル波を用いる方式のことである。すでに提供が開始されている地上デジタル放送のラジオ版に当る。2006年春の正式開始が見込まれている。
地上デジタル波を用いて配信される音声放送は、従来のアナログ波を用いた場合に比べても各段に音質が向上し、ほぼ音楽CDレベルに達するとされる。それと同時に文字情報や静止画像、あるいは簡単な動画などを配信することも可能となる。ちなみにデジタル波を受信するための装置はかなり小型であってもクリアな受信ができるので、将来的には携帯電話やPDAなどでもデジタルラジオに対応する端末が登場するだろうと予測されている。
また、ラジオという媒体には、他の媒体に比べても音楽コンテンツをダウンロードする割合が高いことが明らかになっているので、ラジオ番組の中で一部しか放送されない曲をすべて聴きたいユーザーを対象としてダウンロード販売を行うといったことが企画されている。
デジタルラジオは、試験的には2003年10月(地上デジタル波テレビ放送の提供開始以前)から首都圏と近畿地方で放送が開始されている。いまだ本格的な提供開始に至っていない背景としては、デジタルラジオの用いる電波帯域がアナログ波テレビ放送で使用されてきたVHFの帯域を利用するため、テレビのアナログ放送が提供終了を待っているという事情がある。加えて、テレビの場合とは異なり、現在の(アナログ波の)ラジオ放送は継続され、そこにデジタル音声放送が加わるという形がとられるが、デジタルラジオの提供先となるラジオ局は一元化され、既存のラジオ局の投資によって設立されるので、放送チャンネルの編成などを巡る議論(けん制)が続いているという事情もある。
参照リンク
社団法人デジタルラジオ推進協会
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