生体認証
読み方:せいたいにんしょう
別名:バイオ認証,バイオメトリクス認証,バイオメトリックス認証,バイオメトリクス,バイオメトリックス
【英】biometrics authentication, biometrics
生体認証とは、個人認証の方式の一種で、指紋や声、筆跡、静脈、瞳の虹彩といった、生物個体が持っている特性を利用した認証の仕組みのことである。
生体認証はユーザーの身体を認証の手がかりに用いる。そのため、パスワードのように忘れてしまう懸念やICカードなどのように紛失してしまう懸念がほぼ皆無であり、本人ならばきわめて高精度で認証され、本人以外の(なりすましによる)不正アクセスもきわめて困難であるという特徴がある。ただし本人が事故等によって認証に用いる当該部位を欠損してしまった場合には認証が困難になるという難点もある。
生体認証に用いられる個人的特徴は、数値化されて複合的要素によって管理されている。例えば、指先の指紋にある隆線の相対的な位置関係を数値化して管理したり、筆圧や書き順、ペンのスピードなどを数値化して管理したりする。指紋や筆跡などを単純な画像で管理するようなものではないため、複製・偽造・データの盗難などにも強い。
生体認証への利用が期待される身体の部位としては、指紋、静脈パターン、虹彩、あるいは顔貌、網膜、耳介、DNA、といった要素がある。虹彩認証、顔認証、指紋認証、静脈認証(掌形認証)などのシステムは実用化も進んでいる。耳介認証も2016年にNECが開発したと発表している。
生体認証の課題として、アクセス権を持つ当人を拒否してしまう可能性が皆無ではなく、偶然的にアクセス権を持たない人間を許可してしまう可能性も皆無ではないという誤認の問題がある。こうした懸念を排除するために、生体認証と生体認証以外の認証システム(従来のIDなど)と組み合わせて認証システムを構築する事例もある。
英語のバイオメトリックス(biometrics)は、元々は統計学における「生物測定学」に対応する用語である。しかしながら今日ではバイトメトリクスといえばもっぱら認証方式としての意味で用いられている。
参照リンク
バイオメトリクスとは - (社団法人日本自動認識システム協会)
指紋認証システムのしくみ - (NEC)
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