準天頂衛星
読み方:じゅんてんちょうえいせい
【英】Quasi Zenith Satellite, QZS
準天頂衛星とは、準天頂軌道と呼ばれる軌道を描いて飛び、特定地域の天頂に近い上空に長時間滞在するよう設計された人工衛星のことである。日本が開発している衛星測位システム(準天頂衛星システム)で使用されている。
日本の準天頂衛星システムにおいて、準天頂衛星は変形8の字型の軌道を描き、日本とオーストラリアの上空を行き来する。長時間、日本の天頂付近に位置することができるため、常に高い仰角が保たれ、高い測位精度、ビルや山に遮られない良好な電波状況、降雨などによる電波の減衰の低減などを実現できる。
準天頂衛星は8時間前後で日本上空から外れるため、3機の準天頂衛星が120度ずつ離れた軌道を回る体制が取られる。これによって3基のうちいずれかが常に日本上空に位置し、安定的運用が可能になるという。
準天頂衛星は、米国が運用している全地球測位システム、GPSと連携して、日本におけるGPSの測位精度を補強する役割で用いられる。2010年に衛星「みちびき」が打ち上げられており、2012年現在、試験運用が進められている。
参照リンク
準天頂軌道とは - (JAXA)
準天頂衛星「みちびき」 - (三菱電機 宇宙システム)
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