フォークソノミー
【英】folksonomy
フォークソノミーとは、Web上にあるデータについてエンドユーザーが自ら好きなように情報の収集・分類を行なうことである。フォークソノミー(folksonomy)は、「人々」(folks)と「分類」(taxonomy)とを掛け合わせた造語である。
分類(taxonomy)という行為そのものはインターネットにおいても以前から存在しており、ディレクトリ型検索エンジンのYahoo! やDMOZのように、一個のサービスとして利用されてきた。これらの分類は、客観的で、整然とした階層構造をなしており、体系だった分類であることが求められた。
フォークソノミーによる分類は、タグなどと呼ばれる属性情報をWebサイトや画像データなどに付け加えることで行われる。ユーザーが自らの主観に基づいて好きなように属性を与えることができることが、大きな特徴であると言える。ある属性を与えるからといって、他の属性を排除することはできないが、しかし的外れな属性はいずれ淘汰される。付けられた属性は、その属性を付けた人の多さによって優劣を付けて表示されることも多い。属性を付けた人数によって文字列のサイズを変える「タグクラウド」は、その代表的な事例といえる。
フォークソノミーの代表的サービスとしては、写真共有サービスである「Flickr」を挙げることができる。Flickrは自由に写真画像をアップロードして公開し、自由にダウンロードすることができるサービスであるが、写真の所有者当人が自由にタグを与えることによって、膨大な写真を任意のキーワードで検索することが可能になっている。例えば結婚式と入力して検索すれば、ユーザー自身が結婚式という属性を貼った写真画像が検索結果として出てくる。
フォークソノミーはWeb 2.0の潮流における主要な要素の一つとして注目され、その後様々なサービスに取り入れられた。特に、画像や映像などのマルチメディアを取り扱うサービスでは、サービス上重要な機能となっている場合も多い。
参照リンク
Flickr
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