「マーケティング」の解説
マーケティングの基礎
顧客のニーズを掴んだり、それに合わせた販売形態を作るために、さまざまな調査や計画を練ることを「マーケティング」と呼びます。マーケティングの基礎的な方法をいくつか見てみましょう。
市場調査
市場に関する全般的な調査を科学的視野で実行します。情報を収集して分析を行うことで、消費者の動向や製品の好感度などをさまざまな視野から見定めます。これには、インターネットを用いたアンケートや、消費者を集めてディスカッションさせる方法、葉書にアンケートを書いてもらい郵送するといった方法があります。しかし、これらのデータはただ集めるだけでなく、整合性のある分析をしなければなりません。マーケティングの分析方法には「マーケティング・ミックス」、「ワントゥワンマーケティング」、「ターゲットマーケティング」などがあります。
マーケティング・ミックス | 製品、サービスの価値を損なうことなく顧客に伝えることを目的として、4つの視点(4P)で整合性を図ります。4Pは「製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、プロモーション(Promotion)」です。これとは逆に、顧客側の視点に立った「顧客ソリューション(Customer Value)、顧客コスト(Customer Cost)、利便性(Convenience)、コミュニケーション(Communication)」の4Cと対比させる方法もあります。 |
ワントゥワンマーケティング | 顧客1人に対するニーズを把握することを前提として展開されるマーケティングです。市場のシェアを広げることではなく、「顧客内のシェア」を高めることを焦点にしたマーケティング手法で、何人の顧客に買ってもらうかよりも、1人の顧客に何回購入してもらうかを考えます。 |
ターゲットマーケティング | 自社製品を市場に投入しようとした時、どの顧客層(セグメント)をターゲットにするかを決めるマーケティング手法です。限られた経営資源を活かしても、実際に全ての顧客に対応することは難しいと捉え、自社製品が訴求しやすく、かつ、競争力を持った顧客層をターゲットにすることを前提としたマーケティングを行います。 |
顧客ロイヤリティ | 企業や製品に対する忠誠度を調査します。同じブランドや同じ製品を何度も購入する心理を分析し、信頼度や愛着度の高い製品を見定めます。 |
販売・製品・仕入評価
市場調査の結果を基に、需要と供給のバランスを予測して戦略的なビジネスを展開します。これには「販売計画」、「製品計画」、「仕入計画」の3つの要素を用います。
販売計画 | どのような製品を、どういったサービスでどのように販売するかを計画します。これには「What(販売する商品やサービスを)」、「How Much(どのような価格で)」、「Where(どの地域で)」、「Whom(どのような顧客に)」、「How(どのような販売方法で)」、「Who(誰が販売するか)」といった「4W2H」に従い基準を設けます。 |
製品計画 | 消費者のニーズに合った製品を市場に投入し、売上げが確保できるのかを見定めます。対抗する製品や既存の製品などのラインアップを考慮しながら計画を練ります。 |
仕入計画 | 販売計画を実現するための仕入を計画します。4W2Hと同じように、何を、どこから、どういった方法で仕入れるのかを綿密に練る必要があります。仕入は在庫と直結するため、企業全体にかかるコストに影響を与えます。在庫は少なからず、多からずが基本で、なるべく欠品や余剰が出ないようにすることが大切です。 |
販売促進
広告やキャンペーンなどで、消費者の購買意欲を刺激します。「セールス・プロモーション(Sales Promation)」とも呼ばれ、消費者だけでなく、流通業者や社内に向けての意欲向上のための取り組みも大切になります。
顧客満足度調査
自社製品が顧客にとってどれだけ満足させることができたのかを調査します。これには、アンケートやインタビュー、座談会などが用いられます。
ポイント
マーケティングに関する基本的な考え方を理解しましょう。
マーケティングの存在と目的を知り、関連するデータ収集やデータ分析によってマーケティングにおける情報活用の考え方を理解しましょう。
キーワード
- 市場調査
- 販売・製品・仕入計画
- 販売促進
- 顧客満足