シリアルアントレプレナー
別名:連続起業家
【英】serial entrepreneur
シリアルアントレプレナーとは、いくつものベンチャー事業を次々と立ち上げる起業家(アントレプレナー)のことである。「シリアル」(serial)は「連続的な」という意味の英語。
シリアルアントレプレナーは、ベンチャー企業を立ち上げた後、事業を軌道に乗せることに成功すると、その事業から半ばあるいは完全に手を引き、また別のベンチャー企業の立ち上げに取り組む。あるいは、事業が不成功に終わり倒産することになった場合も、失敗を糧としてやはり次の事業をスタートする。
事業が成功して手を引く場合には、株式公開を契機として後任に経営を引き継いだり、他社に事業譲渡・売却を行ったりといったケースが多い。いくつもの事業を成功に導くために、一般的なベンチャー起業家にも増して、アイデア性、実行力、人脈、経営手腕、あるいは強靭な精神力が必要とされる。
シリアルアントレプレナーの例としては、「Virgin Records」を創業して音楽産業の中心的存在となった後、航空事業に参入し、2004年には民間の宇宙旅行会社も設立しているリチャード・ブランソン(Richard Branson)などを挙げることができる。また、ニクラス・セントローム(Niklas Zennström)とヤヌス・フリス(Janus Friis)は、ファイル共有ソフト「Kazaa」、VoIPシステム「Skype」、P2P動画配信サービス「Joost」などを立ち上げたことで知られている。
日本は米国などに比べて、社会制度としても風潮としても、シリアルアントレプレナーが登場しにくいと評されることがままある。レンタルサーバー「ロリポップ!」の提供などで知られるpaperboy&co.の創設者、家入一真は、paperboy&co.のジャスダック上場を果たした後に代表取締役を退任し、都内にカフェ・レストランを開店し、クラウドファンディング「studygift」に共同設立者として参加、EC(電子商取引)ソリューション「BASE」の共同創業者兼取締役に就任するなどしており、日本におけるシリアルアントレプレナーとして知られている。
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