AI変換
フルスペル:Artificial Intelligence conversion
読み方:エーアイへんかん
AI変換とは、日本語入力ソフトにおいて、関連する前後の単語の意味や文脈を参照して、最適なかな漢字変換を行う機能の名称である。係り受け変換と呼ぶ場合もある。1980年代前半に、AI(人工知能)の分野でこのような研究がなされていたことから、AI変換という呼び方が定着した。
従来の変換では、「音楽を聴く」と変換したいときに、「音楽を効く」と変換されてしまうことがあった。これは、基本的に文法に基づいたルール(構文解析)に頼っていたためで、文法的には正しくても意味的に正しくない変換を行ってしまうからである。
しかし、AI変換なら、「主語が(音楽)ならば、『きく』は『聞く』もしくは『聴く』」というように、文脈的な意味に従うことによって、より最適な変換を可能にしている。
もともとは、ワープロ専用機で採用されていたシステムであった。のちに、パソコン用として、ジャストシステムが1993年4月に発売した一太郎Ver.5に添付したATOK8(MS-DOS用)が先駆けとなり、その後ATOK以外に、マイクロソフトのMS-IME、エー・アイ・ソフトのWXG、バックスのVJE-Deltaなどの日本語入力ソフトも搭載するようになった。
また、AI変換機能自体もいまだに進化し続けており、「音楽を静かに聴く」など、つながるべき単語と単語の間に別の語が入っていても、既存の文書からAI変換の用例を選択して、登録する機能なども追加されている。
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