情報
読み方:じょうほう
【英】information
情報とは、発信者から、何らかの媒体を通じて受信者に伝達される一定の意味を持つ実質的な内容のことである。
一概に情報といっても、そこには多種多様な形態がある。例えば、紙に記された記録や、人間同士の会話、動物同士のコミュニケーション、機械と機械、あるいは、機械と人間の間で交換される信号などである。Webや電子メールを代表とするインターネットのような通信路を経たメッセージ伝達や、コンピュータ機器を介在する信号の交換なども、そのような情報の一形態として見ることができる。いずれの場合にも発信者があり、意味を担う信号を何らかの媒体に載せて受信者に向けて伝達している。伝達される内容が情報と呼ばれている。
情報を伝達する手段は、古くは口承文芸のように、もっぱら音声言語を用いた直接的な対面によって行われた。紙の発明によって、記録は飛躍的に容易になり、さらに印刷機の発明によって大量の情報流通が可能となった。その後も、主として技術的な発展により、情報流通の変化・進展が生まれている。例えば、無線通信の実用化、電話の普及、TV、ラジオ放送の普及、インターネットの実用化などは、その時代ごとに大きな影響を与えた。また、デバイスの小型化が進んだ結果、通信とマイクロチップが遍在し、あらゆるオブジェクトが知的な情報交換を行うユビキタス社会が現実のものとなりつつある。情報を扱う技術を情報技術(IT)と呼ぶ。情報は、情報技術によって、時間と空間の制約を超えて流通することが可能となった。
情報概念を定式化した試みの源流となるものが「シャノンの定理」である。シャノンは、情報とは何かという問いに真っ正面から答えることをせず、出現頻度に対する対数という測定方法を示すことによって情報を定義した。シャノンの開拓した分野は、情報理論と呼ばれている。情報を扱う分野は、コンピュータおよびソフトウェア関連が多い。なお、日本国内の情報に関連した学会には、「社団法人情報処理学会」、「社団法人電子情報通信学会」などがある。情報は、符号化と復号、伝達にまつわる数学的な側面、その技術的な実現、利用方法、社会的な影響といったさまざまな側面を持ち、多方面で研究されている。日本では、2003年より、中学、および、高校において「情報」という科目が設置され、コンピュータ、情報、通信などの基本を教えるようになっている。
|