D2C
フルスペル:Direct to Consumer, Direct to Customer
読み方:ディーツーシー
別名:DtoC
D2Cとは、メーカーがもっぱら自社のECサイトを通じて商品を販売するビジネスモデルのことである。広義の用法として、いわゆる「メーカー直販」型の業態を広く指す場合もある。
D2Cの大きな特徴としては「業者に卸さず自社で製造から販売まで一貫して行う」「店舗を持たずオンラインで販売する」という2点が挙げられる。小売業者に卸さないため中間マージンが省け、実店舗を持たないことで店舗の維持費も削減できる。つまり商品を安く販売できる。あらかじめ大量の在庫を確保しておく必要もないため、小ロットで生産して必要に応じて増産するといった管理や、需要に合わせた迅速な商品改良、あるいは冒険的な企画の提案、なども進めやすいという利点もある。
ソーシャルメディアを活用したマーケティングもD2Cの大きな特徴といえる。D2Cのビジネスモデルは、大手小売店などの販売プラットフォームに乗らないため、消費者に偶発的にリーチする可能性はきわめて低い。D2C事業者は、ソーシャルメディア等を通じてブランドの価値やビジョンを発信することにより、消費者と直に結びつき、支持を集め、拡散され、ブランド力を高めている。
「D2C」と字面の似た用語として「B2C」「B2B」「C2C」「B2E」「B2G」などのような語もある。これらはEC等の商取引の形態を指す用語であり、「販売者 to 消費者」の関係を頭文字で示した表現である。たとえばB2Cは「Business(事業者)から Consumer(一般消費者)へ」という意味である。D2Cの場合は「消費者へ直接に」というような意味合いと解釈され、B2CやB2Bその他の用語とは構成が異なる。
D2Cのビジネスモデルは、アメリカのスタートアップ企業が手法を確立したとされている。ただし英語圏では「D2C」という用語は、さほど使用例が見つからない。使用例が皆無というわけではない(あるにはある)が、マーケティング用語として確立されているかどうかは多少疑問が残る。
|