カジュアルコピー
【英】casual copy
カジュアルコピーとは、ソフトウェアや音楽ファイルなどの著作物を不法にコピーする行為の中でも、違法であるという意識を特に持たないまま(安易な気持ちで)行なうコピー行為のことである。
カジュアルコピーは、営利目的で違法コピーする行為とは区別される。営利目的のコピー行為はおおむねヤミ市場での販売やインターネット上での配布を目的とする。カジュアルコピーは、知人への貸与や、自分が所有している別媒体(2台目のパソコンなど)へのコピーやインストールというような、個人的でなレベルで行なわれる。商用ソフトの多くは「使用許諾契約書」などによってパソコンにインストールしたりバックアップ用に複製したりする回数を制限している。そこに定められた回数を超えてコピーすれば違法行為となる。
個々のカジュアルコピーによって著作権保持者が受ける損害は、営利目的によるコピーに比べれば軽微なものである。ただしカジュアルコピーは日常的に行なわれており、件数も膨大なものになるため、損害をトータルで計算すれば営利目的の不法コピーにも匹敵するといわれる。カジュアルコピーを行なう当事者が、必ずしもカジュアルコピーの違法性を自覚しているわけではない(使用許諾契約書をよく読んでいないために理解していない)、個々の行為を摘発しても全体的な抑止効果は期待できない、といった問題がある。
ソフトウェアや音楽の著作権を管理する業界団体などは、カジュアルコピーについて啓蒙活動を行ったり、あるいはカジュアルコピー程度の複製を防ぐコピー防止機能を搭載するなどして対応しようとしている。
|