コトづくり
別名:ことづくり
【英】kotozukuri
コトづくりとは、単に優れた製品を作るだけでなく、コンセプトやストーリー、ユーザーエクスペリエンスなどの高い付加価値が込められた製品を作ること、そのような付加価値を創出すること、あるいは、優れた製品を生み出すための活力となり得る夢や目標を設けることである。
コトづくりの概念は常盤文克・日本モノづくり学会会長により最初に提唱されたと言われる。常盤はコトづくりを主に経営マネジメントの観点から述べているが、「夢やロマンのある旗印(目標や将来像)を明示し、その実現のためにみんなが奮い立ち、情熱をもって、力を合わせて働きたくなるような仕掛け、システム」がコトづくりであると述べている。
最近では、意味が敷衍され「ユーザーが意義・意味や価値を投影できる製品を作ること」といった意味合いでコトづくりの語が用いられている場合も多い。
これまで国内の製造業で主要なキーワードとなっていた「ものづくり」は、高性能・高品質といった、もっぱら製品のモノとしての良さに焦点を当てた表現といえる。コトづくりにおいては、製品それ自体が優れているだけでなく、より広いユーザーの需要を満たすような製品づくりが求められる。「コト」は、上質な利用体験である場合もあれば、伝統、ブランドストーリーである場合もあり得る。
産業競争力懇談会の報告書では、コトづくりの得手の代表例としてAppleが挙げられている。
市場のグローバル化が進む昨今、旧来のものづくり一辺倒ではなく、ものづくりを前提としたコトづくりへの移行が必要であると産業競争力懇談会などは提言している。
参照リンク
コトづくりからの中小企業イノベーション - (日本政策金融公庫)
コトづくりからのものづくりへ - (産業競争力懇談会)
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