「経営・組織論」の解説
企業活動と経営資源
企業活動
企業がビジネスを行うにあたり、普遍的な理想や目的を「企業理念」、「企業目標」といった形で掲げます。企業が目指す目標や社会的責任が明確になっていないと、どの方向へ企業活動をすればよいか分かりづらくなります。しかし、これはあくまでも理想であり、常に変化し続ける社会や技術革新により、企業は常に変化を強いられます。そのため、企業理念、企業目標を達成するにはこうした変化に適応するための能力を持つことも重要といえるでしょう。
経営資源
企業経営にとって必要不可欠な要素として、「ヒト」、「モノ」、「カネ」という3大資源があります。「ヒト」は、いうまでもなく企業を支える社員、いわゆる人材を指します。個々の社員に企業理念や企業目標を浸透させ、教育を行い、人材を強化していくことが大切になります。「モノ」は、企業活動を行う上で必要になる製品や商品のことになります。例えば、自動車産業であれば車は製品であるといえます。一見して「モノ」とは無縁のようなサービス業においても実際に企業活動を行うためには、パソコンやプリンタ、ファクシミリなどが必要となります。企業にとって必要な「モノ」、不必要な「モノ」をしっかり把握することが重要です。「カネ」は、企業活動を行うための資金です。人材を確保するため、あるいは、製品を作るにも資金は必要です。
近年では、これらに「情報」を第4の要素として加え、「ヒト」、「モノ」、「カネ」、「情報」を4大資源とすることがあります。「情報」は、企業にとって競争力を保つため、あるいは、正確な判断を下すために必要なデータを指します。情報をうまく活用すれば、業務の効率化、コスト削減、生産性向上、付加価値の創造など、さまざまなメリットが生まれます。
経営管理
「経営管理」とは、企業が目指す目標の達成に向け、経営資源を最大限に活用できるように管理することを指しています。そのためには「PDCAサイクル」を繰り返すことで目標を達成する管理を作り上げていきます。このPDCAサイクルは、「Plan」、「Do」、「Check」、「Action」の4つの行動を表しています。Planは、何をどのようにすればよいのか計画することで、Doは、Planに従い行動すること、さらに、Checkでは、その行動の結果を評価し、Actionで、Checkの結果を受けた改善をしていきます。これを繰り返すことで企業活動の品質や作業を継続的に向上させて、より良い経営管理を行っていきます。

経営組織
企業は、経済活動を行うための組織体です。共通の目的を達成するために秩序をもった「組織」は、一般的な株式会社や有限会社、合資会社といった会社組織から、公的機関などさまざまな形で展開されます。組織はその性質によっていくつかに分けられます。
職能別組織
製造、営業、販売、経理、人事といった職能によって分けられた組織です。

階層型組織
ひとつの指令命令系統を持つ階層構造の組織形態です。

事業部制組織
取り扱う製品や地域、市場などで分化し、事業部ごとに一部、または、全部のスタッフ部門を有した組織形態です。

マトリックス組織
事業と職能の2軸によって分けられた組織です。命令系統が複数存在するため、混乱が生じるケースもあります。

カンパニ制組織
複数の部門を独立した会社のように分けて事業を行う組織です。

プロジェクト組織
部門を超えて専門能力を持つ人材によって編成された一時的な組織です。

ポイント
企業活動や経営管理に関する基本的な考え方を理解しましょう。
担当業務を理解するために、企業の基本的な活動を理解しましょう。担当業務の問題を把握し、解決するために、PDCAなどの考え方や手法を理解しましょう。