「通信プロトコル」の解説
通信プロトコル
「通信プロトコル」は、コンピュータシステムが互いに情報をやり取りする際、同じ情報を同じ内容で取り扱うために共通して用いる規約のことです。人間も、話す言語が違えば意思疎通が困難であるように、コンピュータも異なる規約に従っている状態ではデータを正しく伝えることができません。
各ネットワークシステムでは、それぞれのマシンが共通した通信プロトコルを用いて通信しています。また、同じシステム内でも、多種多様な事柄を実現するために複数の通信プロトコルが同時に用いられています。
TCP/IP
TCP/IPは、「TCP」と「IP」というそれぞれ異なるプロトコルをセットで用いる際の呼び名です。インターネット、およびイントラネットなどで利用されています。
「IP」は、データを「パケット」と呼ばれる単位に細かく分割し、送信先のアドレスや発信者に関する情報などを「ヘッダ」情報として付与する、といった方式を主に規定する通信プロトコルです。
「TCP」は、IPによって規定されたデータ(パケット)が確実に相手方に届くように制御を行う通信プロトコルです。
HTTP
「HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)」は、WWWのアプリケーションサービスに対応する通信プロトコルです。このプロトコルでは、文字や画像、音声といったマルチメディアの転送を行うことができます。
近年では「SSL(Secure Socket Layer)」によるデータの暗号化機能を付与した通信プロトコル「HTTPS(Hypertext Transfer Protocol Security)」を使い、個人情報やクレジットカード番号の漏洩を防ぎ、安全な通信を実現する技術も発達してきています。
FTP
「FTP(File Transfer Protocol)」は、サーバからファイルを転送するために用いられる通信プロトコルです。FTPはTCP上で、操作を行うための接続と、データの転送専用に用いる接続との、2つの接続を確立して通信を行います。
FTPを利用して接続し、ファイルのやり取りを行うために用いられるサーバが特に「FTPサーバ」と呼ばれています。
SMTP、POP
「SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)」および「POP3(Post Office Protocol version 3)」は、共に、電子メールの送受信の際に利用される通信プロトコルです。SMTPはクライアントからメールサーバーへメールを送信する際、POP3はクライアントがメールサーバーからメールを受信する際に利用されます。
POP3と同じく受信用のプロトコルとしては、「IMAP4(Internet Message Access Protocol 4)」なども普及しています。