「業務プロセス」の解説
業務プロセス
経営戦略の実現のため、業務のプロセスを分析して把握することが大切です。その結果、問題点を発見し、業務改善のための問題解決を図ります。それには業務活動をモデリングすることが必要で、そのためにはいくつかの方法が知られています。
ERD
実体である「エンティティ(Entity)」と、関連を表す「リレーションシップ(Relationship)」を使い、データの関連を図で表現する手法が「ERD(Entity-Relationship Diagram)」です。E-R図、実体関連図などとも呼ばれます。エンティティとリレーションシップは「アトリビュート(Attribute)」という属性を持っています。
リレーションシップの種類 |
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リレーションシップの表記 |
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E-R図では関連をひし形で表現したり、「1対多」を「1対*」や「1対m」で表現する方法もある。 |
DFD
「データフロー」「プロセス」「ファイル」「外部」の4つの要素を使い、業務やシステムをモデリングし業務の流れをデータの流れとして表現する手法を「DFD(Data Flow Diagram)」と呼びます。
UML
開発や仕様の決定の段階で使用される図を標準化したモデリング用のビジュアル言語を「UML(Unified Modeling Language)」と呼びます。ユースケース図やクラス図などは代表的なUMLとして知られています。
ユースケース図 |
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業務改善及び問題解決
業務プロセスの分析、改善する手法の代表的なものに「BPR」、「BPM」、「ワークフローシステム」があります。
BPR
「BPR(Business Process Re-engineering)」とは、ビジネスプロセスを再構築することにより、業務スピードの向上や、人件費の削減、競争優位の創出が可能になる手法のことです。
BPM
「BPM(Business Process Management)」とは、業務管理手法の1つで、業務の流れを単位ごとに分析、整理することによって問題点を発見し、最適な作業に改善する管理手法です。管理と改善は一回性のものではなく、一定のサイクルをもって常に行われる点が特徴です。
ワークフローシステム
「ワークフローシステム」とは、業務の流れを図示したり、ルール化を行ったりすることで、ネットワーク上で効率よく業務が流れるようにする仕組みを指します。ミスの軽減や確認といった効果が望め、業務の効率化に役立ちます。
ITの有効活用
業務の改善や効率化を図るためにはITを有効に活用することが求められます。それには業務のシステム化によって図れる効率化や、コミュニケーションを円滑に行うためのツールの導入などの手法があります。
システム化による業務の効率化
オフィスツールの導入による既存業務の効率化や、ネットワークの構築によるデータ、または、ハードウェアの共有など、さまざまな形で効率化を実現してゆくことができます。それだけでなく、グループウェアの導入によるノウハウや基礎データの共有、業務に即したソフトウェアパッケージの導入や、個別の情報システムの開発などによっても効率化を果たすことが可能です。
コミュニケーションのためのシステム利用
プロジェクトチーム単位、あるいは、部署、部門単位で社員同士がコミュニケーションを図ることは業務の効率化を図る上でも大切です。もっとも基本的となる電子メールの活用や、電子掲示板での情報のやり取りといった文字情報でのコミュニケーションの他、テレビ会議などを導入すれば、相手の表情を見ながら遠隔地同士でディスカッションが行えます。また、リアルタイム性を持つ文字情報のやり取りが実現できるチャットや、情報のリンクやコメントなどを活用することで多方向への情報提供が行えるブログを利用すると、より効率よくコミュニケーションが図れます。最近では、自在なコミュニティを作ることができるSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の登場により、柔軟なコミュニケーション環境の構築が行えるので、これを活用してビジネスを円滑に進めるケースも増えています。
ポイント
業務改善、問題解決などに向けた考え方を理解しましょう。
業務モデルにおける代表的なモデリングの考え方を理解しましょう。
グループウェア、オフィスツールを効果的に活用しましょう。
コンピュータ及びネットワークを利用した業務の効率化の目的、考え方を理解しましょう。
上位者の指揮の下、担当業務のシステム化について、検討に参加することができるように、業務プロセスをモデル化して改善策を検討する考え方を理解しましょう。
コンピュータ及びネットワークを効果的に活用して、業務改善やコミュニケーションの円滑化を図りましょう。
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