「経営戦略手法」の解説
経営戦略分析手法
ビジネス環境の変化や社会情勢など、あらゆる状況に適応し、企業優位性を常に保ち続け、成長を遂げるための長期的な視野を持つ構想を「経営戦略」と呼びます。経営戦略に必要なものは、企業自身が持っている実力や立場を分析する手法です。それにはいくつかの方法が知られています。
SWOT法
「強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)」という4つの観点から自己分析を行います。強みと弱みは企業の「内部環境」を分析することです。企業が持つべき強みと、克服しなくてはならない弱みを明確にします。機会と脅威は「外部環境」を分析することです。利用しなくてはならない機会と、対抗しなくてはならない脅威をはっきりと認識します。
| 機会 | 脅威 |
強み | どうやって強みを活かして機会(チャンス)をつかむか? | どうやって強みを活かして脅威(ピンチ)を回避するか? |
弱み | どうやって弱みを克服して機会(チャンス)をつかむか? | どうやって弱みと脅威(ピンチ)の因果関係を断ち切るか? |
PPT
「Products portfolio management(=PPT)」では、企業が扱っている事業や製品などを市場占有率と市場成長率の2つの視点と、「花形」、「金のなる木」、「問題児」、「負け犬」の4つの分類で分布状況を見定めます。経営資源を配分することで、事業や製品の組み合わせを検討します。
分類 | 内容 |
花形 | 黒字だが投資が必要な事業や製品。市場の維持に資金がかかる一方で、収益率が高く成長・成熟した事業や製品。 |
金のなる木 | 少額の投資で黒字を生む事業や製品。市場占有率が大きいため投資額が少なくて済む収益率の高い成熟した事業や製品だが、過剰な投資は抑えた方がよい。 |
問題児 | 現状では赤字だが、追加投資によって将来的な成長が見込める事業や製品。成長率は高いが、市場の小ささから投資額が多くなる。将来「花形」にするための戦略が必要。 |
負け犬 | 将来性が低く、基本的に撤退すべき事業や製品。投資の流出・資金の流入のいずれも低い状態で、投資以上の収益が見込めなければ撤退や縮小などが必要。 |
経営戦略に関する用語
企業戦略における代表的な用語として以下のような単語を挙げることができます。
競争優位性
競合他社と比べ、自社が優位に立っているかどうかの位置付けを行います。
例
自社製品は競合他社の同クラスの製品よりもコストにおいて競争優位性がある
自社製品は競合他社の同クラスの製品と比べてコストは高いが、デザインや品質において競争優位性がある
顧客満足度
製品を購入、またはサービスを受けた顧客が、自社が提供するものに対して感じる満足度のことを指します。
例
顧客満足度向上のため、コールセンターを設置する
顧客満足度向上のため、製品のラインアップを充実させる
コアコンピタンス
他社が真似できない、その企業ならではの力を表すときに用いるビジネス用語です。その企業のコアとなる技術や資本力などの能力を明確にし、業界に与える影響力やイニシアティブの強弱などを測ります。
アライアンス
複数の企業が連携、あるいは、提携することを指します。M&Aが企業統合を指すのに対し、こちらは緩やかな協力体制を構築しているケースで使われます。
アライアンスの形態 |
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M&A
企業を丸ごと買い取る買収、複数の企業が法的に1つの企業になる合併を指しています。ゼロから事業を作るよりも他社を買収、あるいは、合併することにより自社ビジネスの事業を早期に確立することが目的です。
アウトソーシング
企業が、業務を会社外部の専門業者に委託することを指します。外部委託とも呼ばれています。
最高経営責任者(CEO)
最高経営責任者は「CEO(Chief Executive Officer)」と呼ばれています。企業の経営方針について最終責任を負う立場にあります。
最高情報責任者(CIO)
最高情報責任者は「CIO(Chief Information Officer)」と呼ばれています。CEOを支える立場にあり、企業内で情報や情報技術に関する上位の役員としての立場にあります。
オフィスツールの利用
一般的に使われているパッケージソフトウェアを利用して、経営戦略に役立てることができます。本格的なITを導入することなく企業の問題解決に活用することが可能です。ワープロソフト、表計算ソフト、データベースソフト、プレゼンテーションソフトなど、ビジネスに活用できる各機能を持ったソフトウェアを総称して、「オフィスツール」と呼びます。
ワープロソフト
文書の作成や編集、印刷などを行います。社内回覧文書から正式文書まで、さまざまな文書が作成できます。
表計算ソフト
表やグラフの作成、編集、データの分析などを行います。経理計算や演算機能などを用いて効果的な計算処理を実行させることができます。
データベースソフト
データを収集して分析します。デジタル化された情報を一ヵ所にまとめ、さまざまな目的に活用することが可能です。
プレゼンテーションソフト
イラストや装飾文字、画像などを使い、視覚的に相手に訴えかけるプレゼンテーションが実行できます。
ポイント
代表的な経営情報分析手法に関する基本的な考え方を理解しましょう。
オフィスツールの種類と、それぞれの用途や特徴を把握しましょう。
キーワード